50代の女性で、動きが緩慢で言葉や表情や動きではほとんどコミニュケーションが取れない方です。談話室に座っていらっしゃったので、隣に座らせてもらった時のものです。
言葉のない人の手を握りその動きに合わせて動くそっと動いたらそっと力がぐっと入ったら同じくらいの力で答える微妙な動きについて行ってみたりちょっと違う方向に誘ってみたり,手と手で会話するように。その方の存在の素晴らしさに思いを馳せながら自分の呼吸を見失わないように、その方の呼吸も感じながら、ただ一緒にいる。身も心も一緒にいる。そうすると何かが繋がっていくのがわかる。あったかい気持ちをたっぷり味合わせていただいて心の中でお礼を言ってゆっくりそうっと手を離す。
繋がった余韻は私の中にももちろん広がっているけれど多分その方の中にも多分残っていてその表情は穏やかな観音さまのようだった。最初から最後まで一言の言葉もなくても伝わることがある。それは私にとって確かな真実として感じられた。